“引っかかり”のあるデザインを考える。

たとえば 、宮崎駿さんは 、 『崖の上のポニョ 』の制作の際に 「上手な線を描くな 」 「なめらかな線を描くな 」という指示を出していたといいます 。別の言い方だと 、 「引っかかりがある線を描け 」ということらしいのです 。素直な線というのは 、みんなが見ているから飽きられている 。ちょっと歪んでいることで 、みんなが気にするようになるでしょう 。だから 「他人が描けない線を描け 」と 、非常に難しい注文をつけるわけです 。

コンテンツの秘密 僕がジブリで考えたこと 川上量生

この考え方、自分がWEBデザインを作るときに非常に参考になりました。

自分が作るデザインの傾向として、フラット”すぎる”デザインというか、きれいだけどのっぺりとしてやや物足りない、ということがままあるのですが、「引っかかりがある」ようにするための「装飾」を入れてみたところ、以前よりも少し良くなった気がします。

フラットな線やモチーフがある程度続いたら、よしなに線を傾けたり、色の色相や明度彩度を変化させたり、少しずらしたり、といった「ノイズ」を配置するように心がける。

今までの考え方では、そういった装飾は意図や意味がないから極力省くべきもの、と思っていたのですが、実はそうじゃなくて、「引っかかり」を作るという役割を担っていたことにようやく気づけたような気がします。よく言われるメリハリを出すとか、リズムをつける、というような原理原則なのでしょう。

役割を持った装飾であれば、デザインに組み入れるのに抵抗はありません。なんだか楽になってきました。が、理解して消化して成果物に反映させていくには実装力が必要。これからは適切な「引っかかり」を作れるようにさらにデザイン力を高めていかなくては。おお忙しい!

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